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社会福祉事業のルーツは聖徳太子が開いた悲田院にまでさかのぼると言われており、各時代に生活に困っている人びとを救済する取り組みは脈々と営まれてきました。しかしながら、国の制度・施策として位置づけられるのは、明治7年に、窮民救済を目的とした「恤救規則」が制定されてからになります。
その後、終戦直後から戦災孤児、傷病者、失業者等の救済のため、国は「児童福祉法」、「身体障害者福祉法」、「生活保護法」等の各福祉法を制定し、今日の社会福祉の基本体系が整備されました。各法に位置づけられた施策を推進するために社会福祉事業法が制定され、現在の社会福祉事業が法制化されました。
この間、多くの社会福祉事業家がその対象となる人びとのために私財を投じ、運営費等の不足や職員の雇用等において多くの苦難を乗り越えてきました。先人たちの強い慈善博愛の精神と自らの生活をかえりみることのないひたむきな活動があって、特別養護老人ホームや保育所、障害者支援といった現在の社会福祉事業は成り立っているといえます。
現、(社福)函館厚生院が明治38年頃に行っていた行旅病者保護事業の様子。
大正15年に開設した「少年職業学院」(千葉県松戸市)の様子。
社会福祉法人が経営する施設のうち、主なものを下記にご紹介します。
特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設) | 7,551施設 |
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障害者支援施設等 | 5,874施設 |
児童福祉施設等 (うち保育所等) |
37,139施設 (25,580施設) |
出典:平成27年「社会福祉施設等調査」厚生労働省、平成27年「介護サービス施設・事業所調査」厚生労働省
上記の施設は一例であり、このほかにも、社会福祉法人は地域福祉の担い手として、さまざまな施設・事業所を経営しています。
このような福祉施設を利用する人びとは300万人、働く人びとは89万人にのぼり、地域になくてはならない社会資源としての役割を発揮しています。
社会福祉法人は、福祉を必要とする人びとの生活に直結するサービスを提供しているため、設立にあたっては、高い公益性、安定性、非営利性といった条件をクリアしなければ認可されません。
たとえば、社会福祉法人が保有する資金は原則として、社会福祉事業以外に使用することができず、株式会社のように出資者への配当等の利益処分は許されません。
また、安易な撤退も許されず、解散した場合の残余財産も私人には一切帰属せず、国庫又は他の社会福祉法人等に引き継がれます。
このように、営利を目的とした企業とは異なる法人形態のもと、公益性の高い社会福祉事業を経営しているため、税制上の優遇措置が認められています。
たとえば、高齢者の介護を行う特別養護老人ホームでは、利用者からのさまざまな要望にお応えすべく、介護の専門職である介護福祉士をはじめ、看護師、理学療法士、作業療法士、栄養士などの資格を有するスタッフが協力して、サービスを提供しています。
安心・安全なサービス提供のために、リスクマネジメント体制の構築や、サービスの自己点検など「サービス管理と質のチェック体制」への整備に積極的に取り組むとともに、さまざまな研修会へ役職員が定期的に参加したり、職場内研修を実施することにより、継続的な質改善に取り組んでいます。
福祉施設では、多くのボランティアの方がたに、さまざまな内容のご協力をいただいております。ボランティア活動に興味をお持ちの方は、お近くの社会福祉法人や市町村の社会福祉協議会などにぜひお問い合わせください。
財政的なご支援として、「寄附」という方法があります。社会福祉法人の財源は、サービスの対価としての収入だけでなく、多くの方がたの善意である寄附金も大きな割合を占めています。
できるだけ多くの方がたに、福祉に関心をもっていただき、それぞれに可能な形でご協力をいただくこと、それがこれからの福祉のまちづくりを支える力となります。ぜひご理解とご支援をよろしくお願いいたします。